共創パートナー募集中の開発テーマ
こんな方におすすめ
- 自動車産業、センサ関連機器など、超音波センサを扱うあらゆる企業様
- 医療画像診断など、バイオメディカル・ヘルスケア領域の機器開発に携わる企業様
- 非破壊検査、産業検査機器などの開発に関わる企業様
ムラタの超音波透過メタマテリアルとは
極小ユニットセルが並べて配置されている
一般的に音響メタマテリアルとは、従来の音響材料にはない方法で音波を操作するように設計された人工材料のことを指し、音の吸収や反射を制御することで静音化の用途で利用されています。
これに対し、今回ご紹介するムラタの音響メタマテリアルは、バネ振り子構造を利用した共振メカニズムを用いており、「物質に対して超音波の透過性を高める」ことを目的に開発しています。
例えば、各種超音波センサの前に何らかの物質があると、音響インピーダンスの差により超音波の多くは透過せずに反射してしまいますが、この材料を用いることで、物質を透過して超音波を伝えることができます。
ムラタの超音波透過メタマテリアルの特長
ムラタの超音波透過メタマテリアルが、なぜ超音波の透過率を高めることが出来るのか、その仕組みと技術をご紹介します。
異なる物質間の音響インピーダンスの差を低減
通常、超音波は媒体と音響インピーダンスが異なる物質に当たると、透過されずに反射する性質があります。
例えば、腹部などのエコー検査の時にジェルを塗りますが、これは音響インピーダンスの差を解消するためです。しかし、当社の音響メタマテリアルでは、そうした音響インピーダンスが異なる物質であっても超音波の透過率を向上させることができます。
これは、将来的により高度な超音波検査を可能とします。
※「音響インピーダンス」について詳しくはこちら
超音波透過メタマテリアルがインピーダンスの差を軽減し、超音波の透過率を向上させる
技術のポイントはバネ振り子構造を利用した共振メカニズム
超音波透過メタマテリアルが物質を介して超音波を伝送できるのは、バネ振り子構造を利用した共振メカニズムにポイントがあります。
周期的に配置された、重り部とバネ部で構成された極小ユニットセルがバネ振り子の役割をし、入射した超音波と垂直方向に共振することで、金属などの音響インピーダンスが異なる物質を通しても効率よく超音波が伝送できるようになります。
ムラタでは、物質と媒体の音響インピーダンス差に対応したユニットセルを設計することで、多様な物質を透過する超音波伝送を可能にすることができます。
並べて配置された極小ユニットセルが超音波に共振することで伝送効率が上がる
ムラタの超音波透過メタマテリアルの特長
独自の技術で開発されたムラタの超音波透過メタマテリアルは、以下3つの特長があります。
- 驚異的な音響特性(高い超音波透過率)
- メタマテリアルの両側から超音波の透過が可能(米国で特許出願中)
- 大きな音響インピーダンス差にも適用可能
超音波透過メタマテリアルの活用領域
超音波透過メタマテリアルの物質への超音波の透過性を向上させるという特性を活かして、バイオメディカル・ヘルスケア領域、海洋領域など、活用領域は広がります。
バイオメディカル・ヘルスケア領域
医療分野では、超音波画像診断・超音波治療といった用途で超音波が多く使われています。
医療機器と超音波透過メタマテリアルを組み合わせることで、患者の負担が少ない検査方法が開発できる可能性があります。
海洋領域
例えば、水中ケーブル等の検査などをする際も、非破壊で被覆材の上から検査を行う事が可能です。
海や川などの水中の対象物体を検査する際の作業負荷を抑えます。
自動車関連領域
超音波透過メタマテリアルを使用することで、超音波センサをバンパーの後ろに配置可能。
車両デザインと安全性を両立できます。
よくあるご質問
周期的に配置された質量–バネ共振子は、特定の超音波周波数で共振するように設計されています。これらは入射した超音波を機械的振動として受け取り、反対側へ再放射することで、音響インピーダンスが異なる材料間においても超音波の透過を可能にします。
ユニットセルのサイズは対象とする超音波周波数に依存するため、特定の周波数に合わせて設計や形状を調整することが可能です。
適用可能な周波数はkHz帯からMHz帯までの範囲です。GHz帯についても原理的には対応可能ですが、波長が非常に短くなるため、加工・製造の難易度が高くなります。
原理はユニットセルの振動に基づいているため、振動を強く減衰させない硬質材料であれば、基本的にさまざまな物質に適用可能です。
「超音波透過メタマテリアル」に
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独自技術により超音波の透過性を高める新素材「超音波透過メタマテリアル」に
ご興味をお持ちの方や技術の詳細を知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
※当商材は開発品であるため、仕様は事前の告知なく変更される場合があります。
開発者の声
村田製作所
技術・事業開発本部 マテリアル技術センター 材料プロセス開発部
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フサイン ムダスイル
西田 正弥(にしだ まさや) -
私たちと一緒に、超音波技術の可能性を広げましょう
ムラタの超音波透過メタマテリアル技術は、材料を通して超音波を透過させることに成功した革新的な技術です。この技術は様々な媒質中に存在する障害物を透過できる可能性があり、医療画像、非破壊検査、水中音響など、さまざまな産業で活用できるポテンシャルを持った技術です。
私たちは、協力と共創の力を固く信じています。超音波センサを利用するあらゆる産業の皆さまに、この素晴らしい旅に参加していただきたいと願っています。
革新的なアプリケーションを共に探求し、超音波技術の可能性の限界を広げていきましょう。
お知らせ
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技術記事「自然界の物質にはない振る舞いで可能性を拡げる「メタマテリアル」とは」を公開しました。
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技術記事「医療・自動車など超音波センサの利用シーンを拡大する「超音波透過メタマテリアル」」を公開しました。
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共創パートナー募集中の開発テーマ「超音波透過メタマテリアル」を掲載しました。
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