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液体・気体のいずれの媒体でも超音波透過率を高めるメタマテリアル技術

超音波透過メタマテリアル

こんな方におすすめ

  • 金属・樹脂などの部材を介した超音波伝送に課題をお持ちの方
  • 車載センシング、流量測定、液面・残量測定などへの超音波センシング活用を検討している方
  • 媒体や設置条件の制約により、超音波による測定・検知が難しい課題をお持ちの方

超音波の透過率を高める「超音波透過メタマテリアル」とは

一般的に音響メタマテリアルとは、従来の音響材料にはない方法で音波を操作するように設計された人工材料を指し、音の吸収や反射を制御することで、静音化などへの活用が進められています。

これに対し、ムラタの超音波透過メタマテリアルは、金属や樹脂などの物質を介した超音波の透過率を高めることを目的に開発している技術です。
超音波センサの前に金属や樹脂などの物質がある場合、媒体と物質の音響インピーダンス※の差によって超音波の多くが境界面で反射し、測定・検知に必要な超音波が伝わりにくくなることがあります。
本技術を用いることで、こうした物質を介した超音波の透過率を高めることが可能となります。

さらに技術開発の進展により、液体を媒体とした超音波伝送に加え、音響インピーダンス差が大きい気体を媒体にした場合においても、金属などを介した超音波透過率の大幅な向上を実現しました。
これにより、これまで設置条件や対象物の制約によって難しかった測定・検知の可能性が広がることが期待できます。

※音響インピーダンス:材料や媒体ごとの音の伝わりやすさを示す指標。音響インピーダンスの差が大きいほど、境界面で超音波が反射しやすくなる。

41mm×41mmの音響メタマテリアル 音響インピーダンスの差
ユニットセルを配列した41mm×41mmの
超音波透過メタマテリアル

超音波の透過率を高める仕組み

ムラタの超音波透過メタマテリアルは、ユニットセルと呼ばれる微小な共振器を周期的に配列した構造を持っています。
ユニットセルは、重りとばねで構成されるような共振構造を持ち、入射した超音波に応じて振動します。
ユニットセルの共振によって対象物を効率的に振動させることで、通常は境界面で反射しやすい超音波を対象物の反対側へ伝わりやすくなり、物質を介した超音波の伝送効率を高めます。
ユニットセルの構造は、超音波を透過させる対象物、周囲の媒体、使用する周波数などに応じて設計します。
それによって、それぞれの使用条件に適した超音波透過性能の実現を可能とします。

並べて配置された微小ユニットセルが
超音波に共振することで伝送効率が上がる

ムラタの超音波透過メタマテリアルの特長

  • 特長

    液体・気体いずれの媒体でも超音波透過率を大幅に向上

    超音波は、対象物の材質や周囲媒体との音響インピーダンス差によって反射しやすさが変わります。
    金属を介して超音波を伝える場合、メタマテリアルを使用しない状態での音圧透過率は水中を媒体とした場合は約6.2%、空気媒体の場合は約0.002%にとどまり、特に空気と金属の間では音響インピーダンス差が大きく、超音波の大部分が境界面で反射します。
    しかし、ムラタの超音波透過メタマテリアルは、水中・空気媒体のそれぞれの条件において、金属越しの超音波透過率を60%超のレベルまで高めることが可能です。
    これにより、対象物や設置環境の制約によって難しかった超音波センシングへの活用の可能性が広がります。

    表は横にスクロールしてご覧いただけます

    水中・空気媒体におけるメタマテリアル有無による超音波透過率の比較
    ※データはシミュレーション値になります
    対象物 周囲媒体 音響インピーダンス比 超音波透過率
    メタマテリアルなし メタマテリアルあり
    金属(SUS) 水 31 6.20% 60%以上
    空気 110,000 0.002% 60%以上
  • 特長

    送信・受信の双方向で超音波の透過が可能(米国で特許出願中)

    反射波を利用する超音波センサでは、送信した超音波と、対象物から戻る反射波の両方が板を通過する必要があることから、送信・受信の双方向で超音波を透過できることが重要です。
    ムラタの超音波透過メタマテリアルは、共振周波数においてユニットセルと板がともに振動し、超音波透過を支援するため、超音波がどちら側から入射した場合でも透過が可能です。
    以下のシミュレーション結果では、メタマテリアルを通常向きに設置した場合と、表裏を反転して設置した場合のいずれにおいても、同程度の透過性能が得られることを確認しています。

    メタマテリアルは向きを問わず60%以上の超音波透過率を記録 ①金属(SUS)のみ 超音波が大きく減衰し、ほとんど透過しない。②メタマテリアルあり(通常向き) 超音波が効率的に透過する。③メタマテリアルあり(反転) 向きを反転させても超音波が効率的に透過する。
    フリックしてご覧ください
    メタマテリアルの設置方向による
    超音波透過率の比較

ムラタの超音波透過メタマテリアルの活用領域

活用領域 01 車載センシング

超音波透過メタマテリアルを用いることで、バンパーやドアなどの外装部品の内側に超音波センサを配置できる可能性があります。
センサ部を車体表面に露出させずにセンシングできれば、車両デザインと安全機能の両立が期待できます。

活用領域 02 配管流量測定

配管外側に設置した超音波センサから、配管壁を介して内部のガスや液体へ超音波を伝えることで、流量測定への活用が期待できます。
配管を開口せず、流体にセンサを接触させない流量モニタリングに貢献します。

活用領域 03 液面レベル測定

タンク上部から空気層を介して超音波を伝えることで、内部の液面・残量測定への活用が期待されます。
空気層を介した超音波伝送を支援することで、センサ設置位置の自由度向上に貢献します。

よくあるご質問

周期的に配置された質量–バネ共振子は、特定の超音波周波数で共振するように設計されています。これらは入射した超音波を機械的振動として受け取り、反対側へ再放射することで、音響インピーダンスが異なる材料間においても超音波の透過を可能にします。

ユニットセルのサイズは対象とする超音波周波数に依存するため、特定の周波数に合わせて設計や形状を調整することが可能です。

適用可能な周波数はkHz帯からMHz帯までの範囲です。GHz帯についても原理的には対応可能ですが、波長が非常に短くなるため、加工・製造の難易度が高くなります。

超音波透過メタマテリアルは、金属やプラスチックなどの比較的硬い材料を介した超音波透過に適用しやすい技術です。一方で、軟質材料や多孔質材料では、材料内部で超音波が減衰しやすく、十分な透過率を得るためには仕様の検討が必要となる場合があります。

気体を媒体とした場合でも超音波透過は可能です。
気体を媒体とした場合は、音響インピーダンス差が非常に大きく、通常は超音波が物質を透過しにくくなりますが、対象物や条件に応じてメタマテリアルを設計することで、気体媒体の場合でも超音波伝送の効率向上が期待できます。

「超音波透過メタマテリアル」に
関するご相談

当社は、「超音波透過メタマテリアル」について、自動車用センシングや流量・液面レベル測定などをはじめとした
産業用計測を中心に、幅広い活用の可能性を探索しています。
金属や樹脂などを介した超音波伝送に課題をお持ちの方、具体的な用途や評価環境をお持ちの方、
技術の詳細を知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

※当商材は開発品であるため、仕様は事前の告知なく変更される場合があります。

開発者の声

開発者たちの画像
  • 村田製作所
    技術・事業開発本部 マテリアル技術センター 新規材料・プロセス開発部

    フサイン ムダスイル
    西田 正弥(にしだ まさや)

    私たちと一緒に、超音波技術の可能性を広げましょう

    ムラタの超音波透過メタマテリアル技術は、材料を通して超音波を透過させることに成功した革新的な技術です。この技術は様々な媒質中に存在する障害物を透過できる可能性があり、医療画像、非破壊検査、水中音響など、さまざまな産業で活用できるポテンシャルを持った技術です。
    私たちは、協力と共創の力を固く信じています。超音波センサを利用するあらゆる産業の皆さまに、この素晴らしい旅に参加していただきたいと願っています。
    革新的なアプリケーションを共に探求し、超音波技術の可能性の限界を広げていきましょう。

お知らせ

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独自技術により超音波の透過性を高める新素材「超音波透過メタマテリアル」にご興味をお持ちの方や技術の詳細を知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
※当商材は開発品であるため、仕様は事前の告知なく変更される場合があります。

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