共創パートナー募集中の開発テーマ

ガラスなどの透明体や黒色物体でも最短1cmの至近距離で検知できる

サーモホン

こんな方におすすめ

  • 光学系センサが苦手とする、ガラス、黒の樹脂パレットなどに対して、近距離の検知を実現し、安全性を向上させたい自動搬送ロボットや小型モビリティの開発担当者様
  • 直射日光や暗所など、光学系センサが苦手な環境での周囲検知が求められる企業様

超音波を使って周辺を検知する「サーモホンモジュール」

ロボティクスの課題である周辺検知

自律走行ロボットや自動追従モビリティなどの開発では、LiDARやカメラといった光学系センサが主流です。しかし、これらは光の透過や吸収、反射に影響されやすいため、透明のガラスや黒色の物体を検知しきれず、衝突リスクが残ります。

この課題に対し、より確実に周囲環境を検知するキーデバイスとなり得るのが、ムラタの薄膜形成技術によって実現した「サーモホン」です。超音波を用いて周辺を検知するため、対象物の色や透明度に左右されない障害物検知が可能です。さらに、最短1cmの至近距離まで検知できることがサーモホンの大きな特長です。ムラタの「サーモホン」を既存のシステムに追加することで、その信頼性を高め、安全なロボット走行に貢献できます。

サーモホンの超音波発生技術で外部環境を正確に把握

サーモホンの超音波発生の仕組み(断面図イメージ)

ムラタの「サーモホン」は、電気エネルギーを瞬時に熱へと変え、素子に接する空気を膨張・収縮させることで超音波を発生させます。一般的な圧電式超音波センサが圧電素子を物理的に振動させて超音波を発生させるのに対し、サーモホンは素子そのものを振動させない非振動型であることが特長です。そのため残響がなく、広帯域の超音波を発生させることができます。

このように熱による空気の膨張・収縮を利用して音を発生させる「サーモホン」は古くから知られていましたが、高音圧化と信頼性の両立に課題がありました。ムラタでは、薄膜素子の構造設計を最適化し、これまで培ってきた薄膜製造技術を活用することで、この課題を解決しました。

こうした技術が評価され、ムラタの「サーモホン」は「CEATEC AWARD 2020」オープン部門 準グランプリを受賞しました。その後も、素子の性能や信頼性の向上、モジュールとしての完成度を高めるなど、実用化に向けた改良を重ねています。

信号処理機能が一体になった「サーモホンモジュール」

独自のサーモホン素子に、2つの受信マイクと信号処理を担うマイコン(MCU)を一体化したものが「サーモホンモジュール」です。本モジュール単体で、次のようなことが可能です。

  • 最短1cmから最大2mまでの周囲環境を高精度に2D検知するためのピーク情報が出力できる
  • 超音波による検知のため、光学系センサが苦手とする透明体・黒体・金属鏡面や、コードなどの背の低い障害物を検知でき、外乱光の影響も受けない

信号処理の一部を組み込んで、障害物からのエコーピークの強度と時間の情報を出力しているため、上位システム側で座標計算を行えば障害物の2D座標を出力できます。

サーモホンモジュールのサイズ

最短1cmの近距離検知と高精度定位を実現

広帯域のチャープ信号と信号処理で、近接物体を高精度に弁別する

フリックしてご覧ください
時間経過とともに周波数が変化するチャープ信号

圧電式超音波センサは、デバイス自体が振動するため、音の残響が近距離検知の妨げとなります。

一方、非振動型であるサーモホンは残響がないという特徴があり、それによって広帯域なチャープ信号を出力できます。その受信信号を相互相関処理することで、反射波が返ってきたタイミングを鋭いピークとして捉えやすくなり、高S/N比も得られます。

これにより、最短1cmの近距離検知に加え、高精度な2D検知や近接した物体の弁別が可能となります。また、環境ノイズや他のロボットとの混信の影響も抑えることができ、ロボットによる確実な周囲状況の検知に貢献します。

「サーモホンモジュール」の活用が期待される分野

活用分野 01 工場などの搬送ロボット

最短1cmの至近距離を検知できるので、設備や機械類への精密な寄り付きが可能です。光学系センサが見落としがちなフォークリフトの爪など、足元の障害物も検知することができます。

活用分野 02 業務用の清掃ロボット

光学系センサが苦手とする透明体や金属鏡面の壁際での近接走行が可能です。また、コードのような背の低い物体や走行経路上に置かれた荷物、周囲を行き交う人なども検知できます。さらに、西日などの強い外乱光がある環境や暗所でも、さまざまな走行環境で安定した周囲検知に貢献します。

よくあるご質問

最大の違いは非振動型である点です。デバイス自体を物理的に震わせるのではなく、熱による空気の膨張・収縮を利用して、残響がなくキレの良い超音波を発生させます。圧電式超音波センサは近距離の検知が難しいとされていましたが、サーモホンモジュールでは最短1cmという近距離検知を実現しました。

一般的な超音波センサよりもノイズ耐性は高めておりますが、極端に騒音が激しい環境では検知距離が短くなるケースもございます。

10fpsです。

ピーク情報を出力するモジュールでのご提供となります。システムへの組み込みはお客様で行っていただくことを想定しています。

サーモホンに関するご相談

ガラスなどの透明体でも黒色物体でも最短1cmの至近距離も検知できるサーモホンに
興味をお持ちの方や技術の詳細を知りたい方は、
ぜひお気軽にご相談ください。

※当商材は開発品のため、仕様は事前の告知なく変更される場合があります。

開発者の声

開発者たちの画像
  • 村田製作所
    技術・事業開発本部デバイスセンター応用技術開発部

    髙木 昌由(たかぎ まさよし)
    坂本 隼(さかもと しゅん)

    技術・事業開発本部マテリアル技術センター無機材料開発部

    深町 浩平(ふかまち こうへい)

    瞬間的な熱の変化で超音波を発生させるムラタの「サーモホン」は、最短1cmの近距離検知ができるデバイスです。既存のシステムに音のセンサをプラスすることで、よりロバストな周辺環境の検知に貢献できると考えております。現在、皆さまのシステムに組み込みやすく、現場で本当に扱いやすい技術へとブラッシュアップを続けています。AGV・AMRなどの搬送ロボットをはじめ、さまざまな自律走行ロボットのスムーズで安定した運用を支えるべく、サーモホンモジュール検証を進めています。
    自律走行ロボットがより安全に稼働し、社会に広く受け入れられる未来へ向けて。ぜひ、皆さまの現場の課題をお聞かせください。共に、実際の使用環境における評価や、システムとの組み合わせ検討を進められたらと思います。皆さまの挑戦に、私たちの技術を掛け合わせることで、新たな可能性をともに生み出せればと考えています。ぜひお気軽にお問合せください。

お知らせ

お問い合わせ

ガラスなどの透明体でも黒色物体でも最短1cmの至近距離も検知できるサーモホンに興味をお持ちの方や技術の詳細を知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
※当商材は開発品であるため、仕様は事前の告知なく変更される場合があります。

ムラタが注目している領域

共創パートナー募集中の開発テーマ